数ある高級ブランドの中でも、特に耐久性と高精度で知られるロレックスの腕時計。一生使い続けられるほどに高品質で高精度ですが、とはいえ精密機械なので、何かしらの不調が起こることもあります。そんなとき、一体どうすればよいのかでしょうか…?
まき直し
ロレックスは一部のアンティークなどを除いて、基本的に自動巻きです。手巻きの時計は時計が止まったらゼンマイを巻き直さないといけませんが、自動巻きの時計は日常的な腕の動きを動力源にローターが回転することで、時計を動かす動力を得るため、日常的に着用していればまき直しの必要はありません。しかも現行モデルであれば、エネルギー効率が非常に高いムーヴメントを搭載しているので、腕から外していても2~3日は稼働できるほどのパワーリザーブがあります。そのため、少し放置していても動き続けるため、止まったときには故障したと誤解するなんてこともあります。ちなみに、まき直しをするときは腕に着けたままリューズを巻くとリューズの歪みの原因になるので、正しい角度で力が加わるよう、腕から外して巻きなおすのが、長持ちのためのヒントです。
ベゼルが動かない
サブマリーナーやGMTマスターⅡなど、回転ベゼルを備えたモデルでは、ベゼルが回転しなくなるということがあります。原因としてはベゼルが錆びたり、塵やホコリが入り込んで堆積するなどが考えられます。特にサブマリーナーは海での使用にも耐えられるようなモデルですので、砂が原因で回らなくなるということは少なくありません。異物混入による動作不良なら、ベゼルを外してエアーブローなどでベゼル内部の異物を除去すればなおります。しかもサブマリーナーもGMTマスターⅡも簡単にベゼルを着脱できることは意外と知られている話で、ロレックス愛好家の中には気分でベゼルを付け替えて楽しむ方もいるくらいです。ベゼルは嵌め込み式になっているので、マイナスドライバーのような平たいものを差し込んで、てこの原理で外すことができます。ちなみに「こじあけ」という、こういった作業に特化したツールもあります。しかし、自分で修理する場合、失敗したときに自己責任となります。工具を差し込むので傷の原因になったり、元に戻せなくなったりするリスクもあるので、不安な場合はプロに任せるのが確実です。
リューズが動かない・空回りする
ロレックスの時計は、リューズによって時計のまき直しや日付表示の調整などを行います。ロレックスの腕時計はリューズが防水性になっており、二重あるいは三重の密閉構造になっていて、気密性が非常に高いので、経年劣化や塵やホコリの堆積、歪み、錆びなどによってリューズが回らなくなるということがあります。また、逆にリューズをいくら回しても空回りするというケースもあります。この場合は内部パーツの摩耗や破損が考えられます。デイト表示が替わらないというトラブルも同様の可能性が考えられます。こういった場合、リューズの交換や内部パーツの交換が必要になってくる可能性があります。
時計自体が動かない
時計をまき直しても動かない場合はムーヴメントに問題があると考えられます。リューズのねじ込みが甘いことによる水濡れや、落下などの強い衝撃などによる部品の破損、長らくオーバーホールを行わないことによる油切れで機能不全を起こすなど、様々な要因がムーヴメントの動作不良を起こす原因になります。ムーヴメントは時計の心臓部ですので、もっとも安心なのはロレックスの正規店に修理を依頼することです。しかし、正規の修理はやはり高額なので、非正規店で修理やオーバーホールを行う方も少なくありません。非正規での修理を行うことを考えている場合でも、経験が豊富で信頼がおけるところに任せたほうがいいでしょう。さらに言えばロレックスの正規部品を使って修理を行ってくれるところが理想です。あまりにも安いところは、サービスの質も悪く修理に使う部品も粗悪なものを使っている可能性があります。
長く愛用するために定期的なオーバーホールを
ロレックスは常に機能的で高精度な時計を作り続けてきたブランドです。時計ブランド随一のストイックさで精度を追求しており、COSC(スイス公認クロノメーター検査協会)を上回る厳格な精度規格である「Superlative Chronometer(高精度クロノメーター)」を設定しています。しかもCOSCの検査がムーヴメントのみに対して行われる一方で、ロレックスの高精度クロノメーター検査は組み立てられた時計自体をテストします。そのような厳格な検査をパスしたロレックスの時計は、ちゃんとメンテナンスをしながら使えば一生愛用することもできます。定期的なオーバーホールをすることで不動や故障などのリスクを減らすことができ、末永く使い続けることができます。オーバーホールのタイミングは3~4年に1度くらいの周期で行うことが一般的に理想的といわれます。
ロレックスは動かないものでも売れる
一方でもし動かなくなってしまっても、市場価値の高いロレックスは中古市場で買取ってもらえる可能性が十分にあります。理由としては修理して販売すれば十分に価値が出るからです。もちろん、正常に作動するほうが買取金額は高いですが、十分に高額が期待できます。不動品を下取りにして新たな時計を購入するのも一つの方法ですね。
まとめ
ロレックスが動かなくなった時の対処法について紹介しました。ロレックスの時計は非常に高精度で長く愛用することができます。それでも長年オーバーホールをせずに使用し続けるとなにかしらの不調がでてくることもあります。一生モノのロレックス、末永いパートナーとしてともに歩むには、頑強といえども定期的なケアも大切ですね。
腕時計の進化は、人間の時間観念と技術の進歩とが交錯する興味深い歴史です。機械式からクォーツ、そしてデジタル、スマートウォッチへと続く変遷は、時計の持つ役割とデザインの多様性を示しています。今後の時計産業の展望も楽しみです。
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