買取専門店を経営していると、一度は正規品以外の物に出会ったことがあるかと思います。
本物ではないのでもちろんお返ししなければいけないのですが、ここ数年コピー品の技術が飛躍的に向上しており、素人目で見破るのはほぼ不可能なほど精巧な製品に仕上がってきております。
コピー品を間違えて本物として買い取ってしまったことがある方も、まだ出会ったことが無い方も
正規品以外の物が持ち込みされた場合の注意点をご紹介致しますので、是非とも参考にして頂けたらと思います。
正規品以外の製品
まず、正規品以外の品物を私たち買取員は「偽物」とはお客様にお伝えできません、何故かと言うと各ブランドにはそのブランドの商標権というものがあり、そのブランドに関係の無い人間が「これは偽物です」というのは商標権に抵触してしまうからです。
ですので、買取店によりますが「当社の基準に達していない品物です」「基準外の品物です」といった風にお返しさせて頂いております。
そしてここ数年で、以前はよく見かけていた雑なコピー品とは一線を画すスーパーコピー品という代物が一般的に出周り始めました。
それを可能にしたのは、メルカリ・ラクマといったフリマアプリの普及の影響が大きく、一般の方でもかなり気軽に不用品を処分したり購入ができるようになりました。
海外の免税店等で知らず知らずのうちにコピー品を購入してしまって、それを気付かずにフリマアプリで販売してしまっている、というのもコピー品が無くならない一つの要因なのですが、フリマアプリで中国の業者が直接販売していることが大きな理由かと思います。
また、コピー品を個人で使用する分には問題ございませんので、ご友人から頂いた物を本物だと思い使用・売却される方も多くいらっしゃります。
この中国の業者が販売している製品が、以前とは比べ物にならないほどの技術の進歩を遂げており、非常に精巧に製作された品物をスーパーコピー品と呼びます。
スーパーコピー品にはランクがあり、粗い作りや雑な面が見えるA級品から、素人目には判別が困難なS級品、そして熟練の鑑定士でさえ見誤ることも多々あるN級品。
数年前からN級品というのはございましたが、素材も本物に近い物を使うためコストがかかることからコピー品でありながら高額な物が多かったイメージですが、量産体制が整ったのか・購入される方が増え資金が潤沢になったのか、現在ではエルメスのバーキンの精巧なコピー品が2万円~3万円で販売されています。
正規品以外のコピー品の故意の持ち込み
ここまで精巧な物が登場すると当然のように犯罪が発生します。
令和3年4月、兵庫県の質店で26歳無職の男性がディオールのブックトートというモデルのバッグを持ち込み、店の主人は店にあった本物と比べても遜色が無かったため正規の値段で買取っています。
このブックトートとは、美品であれば20万円以上の買取額が出る高単価商材になります。
その後も、大阪・兵庫・京都の40店舗に約70点を持ち込み計1500万円を騙し取っています。
実に40店舗の鑑定士が騙される製品が製造されています。
10万円前後で仕入れているとのことなので、N級品のなかでも最上級品を持ち込まれたと思います。
私が過去に出会ったスーパーコピー品は、部分部分を見てもおかしなところはなく、革や使用されている糊の匂いに違和感を感じた程度でした。もしその部分も改良されていた場合どうしようもありません。
ネットでの取引は抑止することが中々難しく、フリマアプリの場合出品者と購入者との間で解決して下さいという風潮がいまだに強いですが、今回このように逮捕されコピー品を実際に持ち込むということのリスクを世間に知らせることができたので、今後このような悪質な持ち込みが増えないことを祈るのみです。
見分けがつかない高額商材が持ち込まれたら
前述したブックトートのような、偽物が出周っているとよく聞く高額商材が持ち込まれたらどうすればいいか。
まずは提携している業者に見てもらうことをオススメします。
その場でWebカメラで見せてすぐに判断できればよいですが、難しい場合は一旦預かって業者の元へ送って確認してもらうことになります。
次にそのブランドにクリーニング・修理といった名目で送りその返答で判断する、です。
正規のブランド工場はスーパーコピーでも絶対に見逃すことはなく、コピー品の対応は一切やっておりませんので
コピー品だった場合「この品物はこちらではクリーニング・修理はできません」と返送されてきます。
どちらも一旦預かるということになりある程度日数がかかるため、提案した段階で断られるお客様もいらっしゃるとは思いますがコピー品を高額で買取り大きな損失を被るよりかは断然よいです。
最後に
近年出周っているコピー品についてご紹介致しましたが、貴金属が使われていないイミテーションのアクセサリーにもご注意下さい。
磁石に引っ付かないかなり厚塗りのメッキ製品もございます、こちらも同じく一旦預かりさせて頂き、お世話になっている業者さんに連絡を取り送りましょう。
この仕事をやっていくうえでコピー品・贋作品は絶対に避けることができない部分になり、今後ますます増えていくことが予想されますので十分にご注意下さい。
弊社、株式会社ROYALではブランド品の真贋判定を行っております。
現在ご自身がお持ちの品物が本物なのか偽物なのか、ネットで色々調べたけど分からないという方、お客様から買い取ったけど本物の自信がなくなってきた、等々お困りな事がございましたら是非とも一度お気軽にご相談下さいませ。